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歌唱共通教材


歌唱共通教材の変遷
■50代60代が子供の時に習った歌が、小学校や中学校の教科書から姿を消し、お爺ちゃんやお婆ちゃんと孫が一緒に歌える歌が少なくなっているとか、その時代時代を思い起こさせる歌が、最近は無くなって、もう少しするとナツメロという言葉そのものが死語になるとか、このグローバルな時代を迎えて、自分の国をを代表するような歌が、なかなか見つからないとか………、歌にまつわる話が結構あります。そー言えば、この頃(いや我が娘の小学校時代から)の音楽の本には、カタカナの題名の歌がかなりな数あるようです。
 オラはこんな本を読んでみました。「教科書から消えた唱歌・童謡(横田憲一郎著/産経新聞社/2002年)」・「」戦後教科書から消された文部省唱歌(涛川栄太著/ごま書房/1997年)。前者のキャッチコピーが「」このままでは日本の美しい旋律が消滅する。歌い継ぎたい日本の心!」とあり、後者は「心の歴史を奪う権利は誰にもない。この歌を忘れ去ることは日本人の魂を忘れ去ることである。」とあります。まぁー、詳しくは本を読んで欲しいのですが………。オラも気になったので、1947(昭和22)年に文部省が教科書を作成してから今年(2012年)で65年。1958年から、10年ごとに行われてきた指導要領制定を経て、オラ達の習った(覚えた)歌がどう変遷したのか、歌唱共通教材の移り変わりを調べてみました。

■歌唱共通教材を設けている意義■(文部科学省の新学習指導要領Q&A)
●歌唱共通教材を設けている意義は,我が国で親しまれてきた唱歌や童謡,わらべうた等を,子どもからお年寄りまで世代を超えて共有できるようになることにあります。また,我が国で長く歌われ親しまれてきたうたを取り扱うことは、我が国のよき音楽文化を受け継いでいく意味からも大切です。………
●我が国で長く歌われ親しまれている歌曲のうち,我が国の自然や四季の美しさを感じ取れるもの又は我が国の文化や日本語のもつ美しさを味わえるもの」の観点から取り上げたものを歌唱教材に含めることとした。………。と、コメントされておりました。
2012/07/10 by bunbun・

  ●1958(昭和33)年10月改訂
1)小学校(18曲)
1学年 かたつむり 日の丸  
・共通教材3曲を含めて聴唱によって、年間最低17曲を歌う。  
2学年 さくらさくら 春が来た  
・共通教材3曲を含めて聴唱によって、年間最低17曲を歌う。  
3学年 春の小川 もみじ 汽車  
・共通教材3曲を含めて聴唱によって、年間最低15曲を歌う。  
4学年 子守歌 村のかじや 赤とんぼ  
・共通教材3曲を含めて聴唱によって、年間最低15曲を歌う。  
5学年 鯉のぼり 冬げしき  
・共通教材3曲を含めて聴唱によって、年間最低11曲を歌う。  
6学年 おぼろ月夜 我は海の子 ふるさと  
・共通教材3曲を含めて聴唱によって、年間最低11曲を歌う。  
記号: マークのついている曲は「文部唱歌」です。
2)中学校(9曲)
1学年 わかれ(ドイツ曲) よろこびの歌 朝だ元気で  
2学年 荒城の月 眠りの精 サンタルチア  
3学年 こもり歌 椰子の実  

  ●1968(昭和43)年7月改訂(中学校=44年4月)  
1)小学校(18曲)
1学年 かたつむり 日の丸  
・共通教材3曲を含めて、年間最低18曲を歌う。  
2学年 さくらさくら 春が来た  
・共通教材3曲を含めて、年間最低16曲を歌う。  
3学年 春の小川 もみじ 村まつり  
・共通教材3曲を含めて、年間最低15曲を歌う。  
4学年 子守歌 村のかじや 茶摘  
・共通教材3曲を含めて、年間最低15曲を歌う。  
5学年 鯉のぼり 冬げしき  
・共通教材3曲を含めて、年間最低11曲を歌う。  
6学年 おぼろ月夜 我は海の子 ふるさと  
・共通教材3曲を含めて、年間最低11曲を歌う。  
2)中学校(11曲)
1学年 わかれ(ドイツ曲) 赤とんぼ 子守歌 こきりこ節(富山県)
2学年 夏の思い出 サンタルチア 勝利をたたえる歌 斎太郎節(宮城県)
3学年 故郷の人々 刈干切り歌(宮崎県)   

●1977(昭和52)年7月改訂 
1)小学校(18曲)
1学年 うみ 日の丸 ひらいた開いた  
・共通教材3曲を含めて単音の曲を年間16曲程度歌う。  
2学年 春が来た 夕焼け小焼け かくれんぼ  
・共通教材3曲を含めて単音の曲、輪唱曲及び簡単な二部合唱曲を合わせて年間16曲程度。 
3学年 春の小川 ふじの山 うさぎ  
・共通教材3曲を含めて単音の曲、輪唱曲及び簡単な二部合唱曲を合わせて年間15曲程度。 
4学年 もみじ とんび さくらさくら  
・共通教材3曲を含めて単音の曲、輪唱曲及び簡単な二部合唱曲を合わせて年間15曲程度。 
5学年 冬げしき スキーの歌 子もり歌(古謡)  
・共通教材3曲を含めて単音の曲、輪唱曲及び簡単な二部合唱曲を合わせて年間11曲程度。 
6学年 おぼろ月夜 ふるさと 雁がわたる  
・共通教材3曲を含めて単音の曲、輪唱曲及び簡単な二部合唱曲を合わせて年間11曲程度。 
2)中学校(8曲)
1学年 砂山 赤とんぼ 荒城の月  
2学年 浜辺の歌 夏の思い出 早春賦  
3学年 椰子の実    
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●1989(平成01)年3月改訂 
1)小学校(24曲)
1学年 うみ 日の丸 かたつむり ひらいた開いた
・共通教材3/4曲を含めて、斉唱で歌う楽曲を年間16曲程度。 
2学年 春が来た 夕焼け小焼け 虫のこえ かくれんぼ
・共通教材3/4曲を含めて斉唱、輪唱及び二部合唱で歌う楽曲を合わせて年間16曲程度。 
3学年 春の小川 ふじの山 茶摘 うさぎ
・共通教材3/4曲を含めて斉唱、輪唱及び二部合唱で歌う楽曲を合わせて年間15曲程度。 
4学年 もみじ とんび 牧場の朝 さくらさくら
・共通教材3/4曲を含めて斉唱、輪唱及び二部合唱で歌う楽曲を合わせて年間11曲程度。 
5学年 冬げしき スキーの歌 鯉のぼり 子もり歌(日本古謡)
・共通教材3/4曲を含めて斉唱、輪唱、二部合唱及び三部合唱で歌う楽曲を合わせて年間11曲程度。 
6学年 おぼろ月夜 ふるさと われは海の子 越天楽今様
・共通教材3/4曲を含めて斉唱、輪唱、二部合唱及び三部合唱で歌う楽曲を合わせて年間11曲程度。 
2)中学校(7曲)
1学年 砂山 赤とんぼ    
2学年 浜辺の歌 夏の思い出 荒城の月  
3学年 早春賦    

●1998(平成10)年12月改訂 
1)小学校(24曲)
1学年 うみ 日の丸 かたつむり ひらいた開いた
・主となる歌唱教材は、各学年とも共通教材3/4曲を含めて、斉唱及び輪唱で歌う楽曲。
2学年 春が来た 夕焼け小焼け 虫のこえ かくれんぼ
・主となる歌唱教材は、各学年とも共通教材3/4曲を含めて、斉唱及び輪唱で歌う楽曲。
3学年 春の小川 ふじの山 茶摘 うさぎ
・主となる歌唱教材は、各学年とも共通教材3/4曲を含めて、斉唱及び簡単な合唱で歌う楽曲。
4学年 もみじ とんび 牧場の朝 さくらさくら
・主となる歌唱教材は、各学年とも共通教材3/4曲を含めて、斉唱及び簡単な合唱で歌う楽曲。
5学年 冬げしき スキーの歌 鯉のぼり 子もり歌(日本古謡)
・主となる歌唱教材は、各学年とも共通教材2/4曲を含めて、斉唱及び合唱で歌う楽曲。
6学年 おぼろ月夜 ふるさと われは海の子 越天楽今様
・主となる歌唱教材は、各学年とも共通教材2/4曲を含めて、斉唱及び合唱で歌う楽曲。
曲数: 各学年の歌うべき曲数は、今回から規制されなくなった。(これ以降、歌われる曲数は減少傾向) 
2)中学校(0曲)
ゆとり教育により、全学年において「歌唱共通教材は廃止」となる。

●2008(平成20)年3月改訂 
1)小学校(24曲)
1学年 うみ 日の丸 かたつむり ひらいた開いた
・主となる歌唱教材は、各学年とも共通教材4曲を含めて、斉唱及び輪唱で歌う楽曲。
2学年 春が来た 夕焼け小焼け 虫のこえ かくれんぼ
・主となる歌唱教材は、各学年とも共通教材4曲を含めて、斉唱及び輪唱で歌う楽曲。
3学年 春の小川 ふじの山 茶摘 うさぎ
・主となる歌唱教材は、各学年とも共通教材4曲を含めて、斉唱及び簡単な合唱で歌う楽曲。
4学年 もみじ とんび 牧場の朝 さくらさくら
・主となる歌唱教材は、各学年とも共通教材4曲を含めて、斉唱及び簡単な合唱で歌う楽曲。
5学年 冬げしき スキーの歌 鯉のぼり 子もり歌(日本古謡)
・主となる歌唱教材は、各学年とも共通教材3/4曲を含めて、斉唱及び合唱で歌う楽曲。
6学年 おぼろ月夜 ふるさと われは海の子 越天楽今様
・主となる歌唱教材は、各学年とも共通教材3/4曲を含めて、斉唱及び合唱で歌う楽曲。
2)中学校(7曲)
1学年 赤とんぼ 荒城の月    
2学年 浜辺の歌 夏の思い出 早春賦  
3学年 花の街    
教材: この改訂で、中学校の「歌唱共通教材が復活」した。
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