花(四季)【G】
戦後 中等音楽(三)/昭22年

作詞
作曲
武島 羽衣
滝 廉太郎
春「 /夏「納涼 /秋「 /冬「


春のうららの 隅田川
のぼりくだりの 船人(ふなびと)
(かい)のしずくも 花と散る
  ■眺めを何に たとうべき
中等音楽3(昭和22) おけら歌集は行
●組歌「四季」について
見ずやあけぼの 露浴びて
われにもの言う 桜木を
見ずや夕暮れ 手を伸べて
  ■われさし招く 青柳(あおやぎ)

錦おりなす 長堤(ちょうてい)
暮るれば上る おぼろ月
げに一刻も 千金の
  ■眺めを何に たとうべき

●同名異曲: 新尋常小学1(昭和06) 新高等小1(昭和10)
1年生の音楽(昭和22) 中等音楽3(昭和22)


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新おけら歌集(07/12/12-09/01/15)/楽譜:bunbun(2016/04/16)おけらの唱歌
組歌「四季」について■
■1900年(明治33年)に瀧廉太郎によって発表された歌曲集(組歌)で、滝廉太郎は序文で「近来音楽は、著しき進歩、発達をなし、歌曲の作世に顕れたるもの少なしとせず。然れども、是等多くは通常音楽の普及伝播を旨とせる学校唱歌にして、之より程度の高きものは極めて少なし………余は敢て其欠を補ふの任に当るに足らずと雖も、常に此事を遺憾とするが故に、これ迄研究せし結果、即我歌詞に基きて作曲したるものゝ内………」と述べ、今後の、日本音楽の発展に役立ちたいと思って、作曲したと思われている。

■第1曲は「花(作詞:武島羽衣)」、第2曲が「納涼(作詞:東くめ)、第3曲が「月(作詞:瀧廉太郎)、第4曲が「雪(作詞:中村秋香)と題されています。しかしながら、もっぱら第1曲「花」だけが有名になり、他の3曲はほとんど知られていません。また、めったに歌われることもないようです。

■各曲はそれぞれ演奏形態が違っており、「花」は二声とピアノ、「納涼」は単声とピアノ、「月」は無伴奏の四声、「雪」は四声とオルガン、ピアノのために書かれています。
■♪〜春のうららの…。同じ滝廉太郎(1879〜1903)作曲「荒城の月」「箱根山」等と並ぶ愛唱歌。
 この歌は1900年(明治33)出版歌曲集「四季」の1曲で当初は二重唱として発表された。作詞の武島羽衣(1872〜1967)は「美しき天然」もよく知られている。
 ピアニスト、作曲家の滝はドイツ留学途上で肺結核を患い故郷・大分で夭折(24歳)したが、学校唱歌によく見られた外国曲への日本語当て込みではなく、日本語の詞と曲がびったり合った歌曲を目指した。「声に出して読みたい日本語」(草思社)の著者・齋藤隆は「花」について「古典主義的な美文が意味以前に響きとして心に入り、春のイメージを豊かにする」と紹介している。
うた新「歌の小箱」101(08/04/07)