合唱構成「ぞうれっしゃがやってきた」

+はじめに+
●  この曲は、歴史を取材されて書かれた同名の絵本をもとに1985年9月〜1986年3月にかけて、愛知子どもの幸せと平和を願う合唱団のみなさんや作詩の清水則雄さんと共に何度も話し合いや学習会をしながら作曲したものです。
 初演は1986年3月30日、名古屋市教育センターで、同合唱団が募集して集まっだ275人の大人と子どもたちによる「ぞうれっしゃ合唱団」の手で行なわれました。初演以来、全国各地では子どもたちの明るく元気に歌う姿、大人たちのやさしさ、真剣さ、にお互いが感じ合い、歴史の事実を歌の中で「体験」しながら、平和の大切さ人間のすばらしさむどを語り合う、そんなステキな出会いがいっぱい生まれています。
 この曲をとおして、ひとりでも多くの人々にこの実話が語り継がれ、子どもたちの心の中に、平和を愛する気持ち、手をつなぎ人として生きていく力、が育っていったら………と願っています。
藤村記一郎

明日に生きる子どもたちへの贈り物
子どもの幸せと平和を願う「ぞうれっしゃ」は、今日も全国各地を走り続けています。このたび、ばるん舎より箕田源二郎さんの温かく優しさがにじみでるすばらしい絵と合唱構成「ぞうれっしゃがやってきた」の楽譜がドッキングすることになりました。
 生命あるものへの限りない愛情のこもった詩と、歌う者の心をとらえてはなさない優しさのあふれた曲が、一段と輝きをますことでしょう。21世紀に生きる子どもたちへのすばらしい贈り物となるでしょう。  1992年9月22日記

 絵本「ぞうれっしゃがやってきた」
著者:小出隆司
原作:
絵:
台本:
作曲:
小出隆司
箕田源二郎
清水則雄
藤村記一郎

あらすじ
サーカスから東山動物園にやってきた4頭のぞう「アドン、エルド、マカニー、キーコ」は子どもたちの人気者。でも戦争が激しくり、各地の動物園では動物だちがつぎつぎと殺されていきました。そんな中で名古屋の東山動物園では、北王園長さんを先頭にぞうたちを必死で守りぬいたのです。
戦争が終わったあと、生きのびた2頭のぞう「マカニーとエルド」を見たいという子どもたちの夢を乗せだ特別仕立ての「ぞうれっしゃ」が全国各地から名古屋へと向かって走ったのです。

目次
第1章−第4章(パート1)
サーカスのうた 雪よ降るな
ぞうを売らないで 動物園へようこそ
第5章−第7章(パート2)
動物を殺せ いくさの終わる日まで
悲しみの日
第8章−第11章(パート3)
本物のぞうが見たい 10 ぞうれっしゃよはしれ
ぞうをかしてください 11 平和と象と子どもたち

登場人物
・サーカスの司会者
・動物園の園長(バリトン・ソロ〕
・サーカスのぞう使いの娘(ソプラノ・ソロ)
・軍人
・猟友会の人(射撃手)
・子ども議会の議長
・ぞうの生存を発言する子ども(子どもソロ)
・大ぜいの子どもたち(せりふ)

演奏していただくにあたって
今まで様々な演奏会・学校での教育活動(学芸会・文化祭など)などで、数十人から千人規模の大合唱までありましたが、歌われるグループの人数や構成メンバー、機会、舞台の条件によって、それぞれ創造的に工夫をされています。曲の性格上、小さな子どもたちにも内容がよくわかるよう、演劇的・視覚的要素も必要かと思います。
 全体は大きく1〜4章、5〜7章、8〜11章の3つの部分に分けられますが、5〜7章の大人だけの部分では、子どもたちは退場するが、その場にすわるなどして目立たないようにするとよいと思います。
伴奏はピアノ+オブリガート(2個)ですが、大合唱の場合オーケストラ(2管編成)を用いたこともあります(スコア・パート譜はお貸しできます)。
 また、実話の内容の理解を深める材料として様々な資料がありますのでご紹介します。
資料紹介
@ 絵本
読み物
ぞうれっしゃがやってきた」 (小{隆司作・岩崎書店刊)
ぞうれっしゃよ走れ〜みんなの胸から胸へ
  (小出隆司・清水則雄・藤村記一郎共著・労働旬報社刊
A ビデオ 北王さん象を下さい」(中京TV'86年3月放映70分)
子ども列島〜ぞうれっしゃがやってきた」(NHK'87年8月放映15分)
B CD ぞうれっしゃがやってきた