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富士の裾野の 狩の庭
関八州の つはものを
あつめてこゝに 狩りくらす
■威勢かがやく 右大将
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5 |
刀とるより 立ちあがる
敵(かたき)めがけて 兄弟が
岩をもとほれと 斬りつくる
■みよや孝子の 一念を
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2 |
目ざすかたきの祐経(すけつね)が
陣屋は何処 こよひこそ
討ちて恨みを はらさんと
■待てば夕(ゆうべ)の暮れがたき
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6 |
見事あたをば 報いたり
心にかゝる 雲もなし
縛らばしばれ 斬らばきれ
■命生きても 何かせん
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3 |
晴間も見えぬ 五月雨に
燃えんとしては またしめる
松明(まつ)の光を たのみにて
■忍び入るこむ 敵の小屋
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7 |
五月雨はれて 千秋の
雪なほ白し 富士の峯
清くけだかき 姿こそ
■わが國民の 鏡なれ
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4 |
いかに祐経 とく(疾く)さめよ
曽我の五郎ぞ 十郎ぞ
忘れもすまじ 父の仇(あだ)
■討ちに來ると 知らざる
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