第五楽章「天地の怒り」【?】
−カンタータ 土の歌−

作詞
作曲
大木 惇夫
佐藤 眞


雷だ いなづまだ
嵐だ 雨だ 洪水(おおみず)
土手が崩れる 崖が砕ける 橋が流れる

樹も垣(かき)も 根こそぎにされる
濁流が家を呑む 人をさらう

地の上に 山脈(やまなみ)があり
地の上に 重みがある
地の下に 燃える火があり
地の下に 怒りがある

地の上に 絶えずかぶさる 人間悪よ
地の上のなげきは深い 長い年月(としつき)

火の山の爆発だ 地震だ 火事だ
溶岩が流れる 尾根が崩れる
落ちる なだれる 火の海だ 修羅の巷(ちまた)
逃げまどう人の すさまじい叫び

うめき のけぞる ころがる
煙突が倒れる 時計台が崩れる 荒れ狂う町

混声合唱のためのカンタータ 土の歌「1962年(昭37)」
第一楽章: 農夫と土   第五楽章: 天地の怒り
第二楽章: 祖国の土 第六楽章: 地上の祈り
第三楽章: 死の灰 第七楽章: 大地讃頌
第四楽章: もぐらもち 解説「土の歌」

新おけら歌集(06/10/01 / 楽譜:ビーさん(06/12)