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彼(か)れ高時(たかとき)は 何者ぞ
身は陪臣(ばいしん)で ありながら
帝(みかど)の仰(あふせ) 輕ろんじて
■御國(みくに)の民を 虐(しへた)ぐる |
4 |
大和の難は 遁(のが)れしも
尊氏どもの 讒言(ざんげん)に
父の帝の 許(もと)にさへ
■眞心通はぬ 悲しさよ |
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2 |
彼れ尊氏(たかうじ)は 何者ぞ
僅(わず)かの功に 増長し
帝の寵(ちょう)を 笠に着て
■天下を危うく せんとする
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5 |
處(ところ)もあるに 天(あめ)の下
日影もささぬ 鎌倉の
土の室屋(むろや)に 籠(こ)められて
■憤(いかり)に送る 憂き月日
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3 |
護良(もりなが)の皇子 これを見て
いかでみ心 安(やす)からん
墨染衣(ごろも) 脱ぎ捨てゝ
■弓矢の道に 起(た)たれたり |
6 |
かくて建武の 第二年
陪々臣の 手に穢(けが)れ
薨(かく)れ給ひし 悔しさは
■後の世誰(た)れか 忘るべき
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