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昔をうすの 皇子(わうじ)とて
賢き御子(みこ)ぞ おはしける
御智惠(おんちえ)深き その上に
■御力(おんちから)さへ なみならず |
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またも東夷(とうい)を 討たんとて
駿河の國に 行き給ひ
賊(ぞく)の計(はか)りし 燒討(やきうち)に
■かへりて賊を やいづばら |
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2 |
皇子御年(おんとし) 十六の
をりにくまその そむきしを
帝(みかど)のおほせ かうむりて
■平(たいら)げんとて 出(い)で給ふ
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5 |
草なぎ拂(はら)ひし 草なぎの
劍(つるぎ)の光り 輝きて
遠き東の えびすらも
■程なく恐れ なびきたり
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3 |
ぬく手も見せぬ 懐劍(くわいけん)に
くまそたけるを 打取(うちとっ)て
やまとたけるの みこといふ
■おんなをえさせ 給ひけり |
6 |
みこの力に 西(にし)東(ひがし)
みな鎭(しづ)まりて その時の
帝の徳(とく)に なつきたる
■みいさをあふげ 人人(ひとびと)よ |