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むかしむかし 浦島は
子どもの嬲(なぶ)る 亀を見て
哀れと思い 買取りて
■深い淵へと 放ちける
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4 |
見れば驚く 唐門や
珊瑚の柱 鯱の屋根
真珠や瑠璃で 飾り立て
■夜も輝く 奥御殿(おくごてん)
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2 |
ある日大きな 亀が出て
「もうしもうし 浦島さん
竜宮という よいところ
■そこへ案内いたしましょう」
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5 |
乙姫さまに 従いて
浦島太郎は 三年を
竜宮城で 暮らすうち
■我屋恋しく なりにけり
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3 |
浦島太郎は 亀に乗り
波の上やら 海の底
たい しび ひらめ 鰹 さば
■群がる中を わけて行く
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6 |
帰りて見れば 家もなし
これは不思議と 玉手箱
開けば白き 煙が立ち
■白髪の爺いと なりにけり
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