兒島高徳(Cm)
尋常小學唱歌(第六學年)/大正3年

作詞
作曲
作詞不詳
岡野 貞一


船坂山(ふなさかやま)や杉坂(すぎさか)
()あと慕いて院の庄(いんのしょう)
微衷(びちゅう)をいかで聞こえんと
桜の幹に十字の詩
 ■天(てん)勾践(こうせん)を空(むな)しゅうする莫(なか)
 ■時(とき)范蠡(はんれい)無きにしも非(あら)
尋常小学6(大正03) 高等科音楽1(昭和16

御心(みこころ)ならぬいでましの
御袖(みそで)露けき朝戸出に
(ずん)じて笑()ますかしこさよ 桜の幹の十字の詩
 ■天勾践を空しゅう ……ref……

●同名異曲: 尋常小學6(大正03) 昭和唱歌5(昭和10)


歌詞:08/04/08/midi:08/06/22-12/12/12/楽譜:bunbun(2016/06/25)おけらの唱歌

■児島高徳(こじま たかのり)
 元弘の乱(1331年)の際、後醍醐天皇が鎌倉幕府によって隠岐に流されのを救おうとした忠臣。結果的には目的を果たし得なかったが、単身院の庄に忍び入り、櫻の幹を削って十文字の詩をしたため、これを見た天皇が会心の笑みをもらしたというお話。
 この詩「天勾践空莫 時范蠡無非」とは、「天は勾践のような人をそのまま不幸にはしておきません。勾践は范蠡の助けを借りて天下を取りましたが、今度も必ずや忠勇の人が出て来て、お救い申し上げるでしょう」という意味である。