田舎の四季(F)
尋常小學読本唱歌(第四學年)/明治43年

作詞
作曲
堀澤周安
作曲不詳


道をはさんで 畠一面に
麦はほが出る 菜()は花盛り
眠る蝶々 とび立つひばり
吹くや春風 たもとも軽く
  ■あちらこちらに 桑つむおとめ
  ■日まし日ましに 春蚕(はるこ)も太る
読本唱歌(明治43) 尋常小学(大正01) 新訂尋常(昭和08)
並ぶ菅笠(すげがさ) 涼しいこえで
歌いながらに うえ行く早苗
永い夏の日 いつしか暮れて
植える手先に 月かげ動く
  ■帰る道々 あと見かえれば
  ■葉末(はずえ)葉末に 夜つゆが光る

二百十日も 事なくすんで
村の祭の たいこがひびく
稲は実がいる 日よりはつづく
刈ってひろげて 日にかわかして
  ■米にこなして 俵につめて
  ■家内そろって 笑顔に笑顔

松を火に焚く いろりのそばで
夜はよもやま 話がはずむ
母がてぎわの 大根なます
これが田舎の 年こしざかな
  ■たなのもちひく ねずみの音も
  ■ふけてのきばに 雪 降積(ふりつも)

●田舎の曲: 田舎の四季(明治43) 田舎の夕暮(昭和05)
田舎の冬(昭和07) 田舎の春(昭和07)


歌詞:08/01/18-12/02/12/midi:08/06/15-12/12/16/楽譜:bunbun(2017/01/05)おけらの唱歌

●昭和7年の新訂版で、「米にこなして」→「もみに仕上げて」、 「松を火に焚く」→「そだを火に焚く」と改められたそうです