磯の月(C)
中等音楽教科書3(北村)/明治41年

作詞
作曲
吉丸一昌
北村季晴


登れのぼれ月よ いざや登れ月よ
上がれあがれ月よ あがれいざ月よ
稚児(ちご)がうたふ 聲々に
小島の松の 下枝(しづえ)のあたり
ほのめくものぞ 見え初(そ)むる
  ■見ゆるややがて 登り出づる大月
  ■出づるや速く ひかり四方(よも)に漲(みなぎ)
中等音楽3(明治41) 中等音楽2(昭和22)
躍れ躍れ月よ 月のなかのうさぎ
いざや躍れう兎 をどれいざ月と
稚児がうたう 聲々に
満ち來る潮(うしほ) ゆたゆた寄せて
うねりは高し をちこちに
  ■満ち來るやがて 空の月は躍りて
  ■波間を走る 影はちりて眞白し



歌詞:11/09/01/midi:10/05/05/楽譜:bunbun(2016/04/16)おけらの唱歌

■説示と設問■
●説示一





當曲の曲首と曲尾とに於いて、譜表の上に8va………の記號の附記せらるゝを見るべし。これこの點線の下なる音符は、記載せっれたる高度より、八音上にて奏せらるべきことを示すものなり。
又當曲の末尾に記されたるDS.は反標記號とて、其所より接續標(二四頁「夕の鐘」参照)ある所へ、反覆すべきことを示すものなり。
又末段第一小節の、復縦線の上に附記せられたるフェルマータは終止記号Fine(巻の二第五十八頁既説)と同意義なり。