花の都(F)
新撰國民唱歌1/明治34年

作歌
作曲
大和田建樹
小山作之助

花の都のおもしろの春べや
■四方(よも)に心ぞうかるゝ

夏のけしきも 面白の都や
■蝉の羽袖も かろげに

春日のどかに打ち霞む遠近
■梅を見にゆくたのしさ

若葉をぐらく茂りたる中より
■藤のにほふも なつかし

隅田上野に船車つらねて
■花にくらすか人々

蛍見がてら関口にあそべば
■小田の水鶏(くひな)もなきたり

あさり蛤おもふまゝ集めて
■かへる汐干の夕ぐれ

空に飛び散る星かげは花火よ
■あれといふまに 消えゆく

町のともし火ほのぐらく見えつゝ
■おぼろ月夜もふけたり

10 蓮の花さく忍ばずの池には
■夕日すゞしくのこれけり

●読み:遠近=をちこち ・以下20番まで省略

●同名異曲: 國民唱歌1(明治34) 新編教育7(明治38)

歌詞:2017/01/12/midi:2017/01/22/おけらの唱歌