ふるさと 【Em】
+荒木栄作品集+

作詞
作曲
森田ヤエ子
荒木  栄


ふるさとに根を下ろし 闘いの中に咲く
  ●恋の花は 永久にあかく

ふるさとの根雪を解かす 闘いに明け暮れる
  ●誓いの言葉 永久にかたく

ふるさとは今ジェット機に 憎しみの声高く
  ●闘いは 永久に続く

ふるさとに春を呼ぶ 闘いの中に育つ
  ●愛の実り 永久にゆたか

●同名異曲: 岡田京子曲 荒木 栄曲 新美佳三曲
文部省唱歌


新おけら歌集(02/12/08) / 楽譜:ビーさん(2004/09)
■暮れも差し迫った本日(12/30)、大牟田の川上さんのメールをみて、「根を下ろし」の「し」をG→Eにしてみました。この歌は「祝婚歌」なのだそーで、川上さんも結婚式に参加し、歌われたということです。歌った記憶では「G→E」なのだそうです。聴いてみると、この方がずっと曲が生きる感じがします。   bunbun(06/12/30)

川上さんからのメール
(2006年12月30日 9:08)
 ………前略………
 1、2,4番の第2節は(1番の“根をおろし”の部分)、AGAB(8分)G(2分)となっています。つまり、レドレミ(ド)ですが符割りの“し”にあたる(ド)の音は、3音下のE(ラ)でメロディーが落ち着くのではないでしょうか?という意味でした。
 ふるさとの譜面自体は、初見のとき以来見た記憶はありません。手元には、結婚式の案内状の詞があるだけで、そういう風に唄ってきた記憶があるだけです。G(ド)では、どうしても違和感がぬぐえない思いが残ります。

 三池うたごえ行動隊の中心として、大牟田センター合唱団創立メンバーとして荒木栄とともに活動して三池闘争の後に結ばれた仲間に贈った荒木・森田コンビによる祝婚歌の3部作の一つです。
私の時は、荒木さんは亡くなっていましたので残念ながら・・・でした。
 ………中略………
 “ふるさと”の二人も、“よろこび”のはりきり娘のオカチャン(岡美智子)と同じ元気印のセイコチャン(北原勢子)と梅崎亨さんの結婚に際して贈られたものでした。二人は三井系列企業の三池炭鉱労組と三池合成労組の書記をしていました。
 祝婚歌としてのユニークなところは3番かと思います。森田の詞に違和感もないかのように作曲する荒木栄には感心しますが、作詞者の感性を大切にする彼の懐の深さ、心の優しさに尊敬の念を抱くばかりです。

 1962年当時、福岡空港には米軍の板付基地が併置されていて連日ベトナムへと米軍機が発進していました。“この勝利ひびけとどろけ”の創作経過として前述書のP170〜P175に詳述されています。沖縄返還とベトナム戦争反対の活動は九州では熱く燃えあがっていました。
 そういう状況での祝婚歌ですから、3番を入れて当然のように結婚式でみんなから祝福されるというのも、うたは世につれ・・・時代の背景なのでしょうか。

 3曲とも、本人たちには内緒で初見でレッスンし仕込んで唄う状況でした。結婚式が新曲発表の場でしたから、その後はあまりうたってはいないと思います。
 ………後略………