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我は海の子白浪(しらなみ)の
さわぐいそべの松原に
煙たなびくとまやこそ
■我がなつかしき住家なれ
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5 |
幾年(いくとせ)ここにきたえたる
鉄より堅きかいなあり
吹く塩風に黒みたる
■はだは赤銅(しゃくどう)さながらに
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2 |
生れてしおに浴(ゆあみ)して
浪を子守の歌と聞き
千里寄せくる海の気(き)を
■吸いてわらべとなりにけり
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6 |
浪にただよう氷山も
来(きた)らば来れ恐れんや
海まき上ぐるたつまきも
■起らば起れ驚(おどろ)かじ
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3 |
高く鼻つくいその香(か)に
不断(ふだん)の花のかおりあり
なぎさの松に吹く風を
■いみじき楽(がく)と我は聞く
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7 |
いで大船(おおふね)に乗出して
我は拾わん海の富
いで軍艦に乗組みて
■我は護(まも)らん海の国
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4 |
丈余のろかい操(あやつ)りて
行手定めぬ浪まくら、
百尋(ももひろ)千尋の海の底
■遊びなれたる庭広し |
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