あられ(C)
明治唱歌 第三集/明治22年6月

作詞
作曲
大和田建樹
上 真行


芝生(しばふ)に落(お)ちて走(はし)り舞(ま)
いきほひたけき玉霰(たまあられ)
ふれふれ白(しろ)くつもるまで
あなはや色(いろ)は消(き)えうせぬ
  ■過(す)ぎし名誉(めいよ)の花(はな)に似(に)

ただよひうかぶ池水(いけみづ)
落葉(おちば)にをどる玉(たま)あられ
しばしとまりてなほ遊(あそ)
あなはや波(なみ)に消(き)え失(う)せぬ
  ■定(さだ)めなき世(よ)のさまに似て

おぼろ月夜(づきよ)にちる花の
すがたを見(み)せてふる霰(あられ)
ひろひあつめて贈(おく)らんと
(う)くる袂(たもと)に消(き)え失(う)せぬ
  ■戀(こひ)しき人(ひと)のかげに似て

(そら)にたゞよひのにさけび
まろびくじけてふる霰
(かつ)も負(ま)けるも隔なく
(おな)じ枕(まくら)に消(き)え失(う)せぬ
  ■わかき心(こころ)の慾(よく)に似て

(まつ)の末葉(うらば)をいのちにて
わづかにのこる玉霰(たまあられ)
くぎりしをりの関の教り
いづこの胸は眠るらん
  ■童あそびの夢に似て

●同名異曲: 明治唱歌3(明治22) 尋常小学1(明治38) 大正幼年8(大正04)
検定小学2(昭和04) 小学新唱歌(昭和07) 昭和唱歌2(昭和10)
中等音楽1(昭和22)

歌詞:08/07/13/midi=09/04/28/おけらの唱歌