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心もふかき 薩摩の海に
御國を憂ひて 沈みし人の
一人は死にて 一人は生きぬ
■曇らぬ月は 千古に高し
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4 |
心をこめし 征韓論も
時いたらぬか 世にいれられず
都をあとに 見すてて歸る
■故郷に田あり 兎は山に
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2 |
はなれ小島に 身ははふられて
なほもくじけぬ 氣力の錬磨
あくれば出でて 野山に獵し
■くるれば入りて讀書(とくしょ)に耽る
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5 |
すき鍬とりて 鍛へるこの身
學校たてて 養ふ子弟
一日(ひとひ)も國を 忘れぬものを
■とらせし反旗は そも誰が業ぞ
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3 |
時勢とともに ひそめる龍(たつ)の
雲居にをどる 時こそ來つれ
王政維新の その大業(たいぎょー)も
■なかばは君が建てたる功(いさを) |
6 |
あー 君たてり 子弟のために
あー 君死せり 子弟のために
城山あたりの あととむらへば
■名にをか語る 松風の聲 |