1 |
足柄山の 山奥に
一人なりたる 金太郎
力すぐれて 膽(きも)ふとく
■うちふる斧の 音たかし
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4 |
明暮れふるふ 斧の音
いつしか漏れて 頼光に
めしいだされし 殿の内
■その名は高く 聞こえたり
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2 |
幼遊(をさなあそび)の たはむれも
猿を家来に 従えて
熊にまたがり 分けのぼる
■山に靡かぬ ものもなし
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5 |
鬼の住むとて 世の人の
ふるひ恐れし 大江山
こもれる賊を 退治せし
■一人は君ぞ その功(いさを)
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3 |
山路にまるぶ 石を投げ
谷間にはゆる 木をぬきて
橋かけわたし 道なほす
■をさな心も 人のため |
6 |
斧のひびきは 絶えたれど
絶えぬ武勇の ものがたり
足柄山の 峰高く
■響くは熊の なく聲か |