こぶしの唄【C】

作詞
作曲
門倉さとし
林   学
父さんはやく帰っておいで
北山にまた雪だよ
■こぶしの花が
■一つ咲いたよ

父さんはやく帰っておいで
北山はもう雪解けよ
■こぶしの花が
■一つ散ったよ

父さんはやく帰っておいで
夕焼けとってもきれいだよ
■こぶしの花が
■二つ咲いたよ

父さんはやく帰っておいで
花にもいのちがあるのかな
■こぶしの花が
■二つ散ったよ

父さんはやく帰っておいで
夜汽車が鉄橋渡ったよ
■こぶしの花が
■三つ咲いたよ
父さんはやく帰っておいで
田んぼの水が待ってるよ
■こぶしの花が
■三つ散ったよ
●同名異曲: 林学曲 葛西ともひこ曲


新おけら歌集(04/05/02)うたごえ歌集2 / 楽譜:ビーさん(2004/09)

■1972年の作品。こぶしの花が咲きそして散るたびに、それを数えながら出稼ぎの父さんの帰ってくる日を待つ子どもの思いを歌たった曲。
■冬が過ぎ、出稼ぎの父親を待ちわびる子どもの思いを、こぶしの花が咲き始め、やがて散っていく時の流れと故郷の情趣を織り込みながらうたった歌。
 1972年6月、名古屋の東海音楽センター落成祝賀会で発表され、生前・日本のうたこえ全国協議会顧問でもあったチェリスト井上頼豊(1996年没)は器楽曲としても演奏。「山田耕筰の歌曲に迫る鮮烈な叙情」と綴っている(林学著『大須っ子』=飯塚書店=よせがき)。
 作詞者・門倉さとし(詩人)が入院時に着想した歌。病床から見えるこぶしの花で東北から上野への集団就職列車を連想し、中学を出たばかりで上京する子どもたちを、冷たい雪の中に咲くこぶしの花が、精一杯励ましているようだったのを思い出したという。
うた新「歌の小箱」04(06/02/06)