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高千穂艦の かたすみに
手紙ひろげつ 且つ讀みつ
涙ぬぐへる 水兵を
■咎めるたてたる我が大尉
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4: |
いかぶりながら手に取りて
その文見れば 女手の
事こまごまと したためし
■母のまごころ 親ごころ
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2: |
いくさの海に いでし今
泣くは 命を惜しみてか
めめしき者よ 恥を知れ
■なんぢの恥は 艦の恥
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5: |
わが子よ励め 今こそは
命をすてて 國の為
働く時ぞ ぬかるなと
■強き言葉の 健気さよ
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3: |
聞くより早く 水兵は
面あげたり 答えたり
いかでか 命をしむべき
■これ見給えやこの手紙 |
6: |
涙うかべて わが大尉
握る手固く うなづきぬ
よき母持てり よき母を
■われも努めん 諸共に |