協同一致(Em)
検定小學唱歌5(昭和04年)

作詞
作曲
石原和三郎
納所弁次郎

或時 口が首唱(しゅしょう)にて
目・鼻・手・足の うち集ひ
相談會を 開きける
■さて先ず 口の云へる様(よう)
斯くて二・三日 経(た)たぬ間に
軆は自然に 衰へて
耳は鳴り出す 目は暗む
■手・足は萎ゆる 如何せん
高等小学1(明治39) 検定小学5(昭和04)

一たい胃の腑と 言ふ者は
われわれどもが 働いて
毎日送る 食物(しょくもつ)
■遠慮もなしに 食べて居る

此時 胃の腑の云へる様
諸君が今さら 苦むは
自業自得と 云ひ乍(なが)
■ものの道理を 知らぬ故

われわれどもは 胃の為に
むだ骨を折る 今よりは
其の働きを 止めにして
■胃の腑に辛き 目を見せん

諸君の送る 食物は
われ等 夜・晝 消化して
其の血は 五軆に送らるゝ
■これぞ互の 為なれや

皆々 げにもと同意して
目は物を見ず 鼻かゞず
足 食堂に行くを止め
■手は箸をだに 取りもせず
手・足をはじめ 耳・鼻は
この道理に 夢さめて
此後は胃の腑を 羨まず
■互の勉(つとめ)を 盡しけり


歌詞:09/07/10/midi:09/11/28