端居の夕(G)
中等音楽教科書2(北村)/明治41年

作詞
作曲
作者不詳


涼しさをゆすりて 吹き來るや小笹の
夕風にそよろと あー 月こそ出でたれ
妻琴のひゞき ほのかにもして
郭公 今もや 一聲をうれしと
  ■なのりてぞ 出づらん
  ■あー おもしろの夜や
●端居:読み=はしゐ
●夏、風通しのよい縁側などに出ていること。
川風ざんざと おとづるゝ園生の
松ヶ枝をほのかに あー 出でたる月影
涼しさはやがて ひとしほに増す
隣家(となりや)の話の 聲々も聞えて
  ■楽しくも 更け行く
  ■あー 夏の夜半かな


歌詞:11/05/30/midi:11/08/29/おけらの唱歌
■説示と設問■
●設問 一 當曲は何調なりや。
二 帯とは如何。當曲中に於ける帯を指摘せよ。
三 四拍子に於ける強聲部と弱聲部との位置を問ふ。
●説示 一 或る弱聲部の音と、其次ぎに位する同高度の強聲部の音とが、結合して一聲音と成る時は、強聲部の音勢は轉じて前の弱聲部に移るものとす。之を轉位強聲(Syncopation)と云ふ。
二 當曲中の※標あるものは即ち轉位強聲なり