蒙古襲来(G)
唱歌教科書2(明治35)

作詞
作曲
作者不詳


四百餘州の 武威をたのみ
蒙古の大王 忽必烈(コツビレツ)
御國をあなどる 無禮の言(げん)
  ■いで物見せんと 鎌倉男兒

三度の使(つかひ)を 斬ってぞ棄(すつ)
元主(げんしゅ)は怒りて 山なす兵艦
邊海ほふりて 血なまぐさく
  ■潮け立てくる 玄界なだ

執權時宗 只 一令
六十餘州の 健兒立てば
雲飛び風あれ 浪 逆まきて
  ■數萬(すまん)の敵兵 残るは數人(すにん)


歌詞:11/05/24/midi:12/01/23/おけらの唱歌
■曲目解説■
■支那は四百餘州とて、たゞさへ威張ってをるものを、蒙古忽必烈は諸方をせめ従はせた其の勢ひに、日本ぐらひはおどしつけて、攻めずに取らうといふ意氣ごみで使を來らしめたが、即ち後宇多天皇の御代、此時、北條時宗は大膽にもその使を三度まで切り捨て、遂に彼より來る十萬の大軍を筑紫の海で、皆殺しにした顛末は歴史にかくれなき事實。此歌は即ち、之をよんだのである。
●コツビレツのコツ及びキッテゾスツルのキツは促聲に歌ふを要す。