醍醐の花見(G)
中等唱歌/明治42年5月

作詞
作曲
池辺 義象
田宮 虎蔵


笠取山(かさとりやま)に 春闌(た)けて
醍醐(だいご)は花の 真盛(まっさかり)
  豊臣太閤(とよとみたいかふ) 秀吉公
  武勇は輝く 海の内外(うちと)
慶長(けいちやう)三年 春やよひ
今日(けふ)のこの日を 千金(せんきん)
  綺羅(きら)を尽せる 桜狩(さくらがり)
  人目を奪(うば)ふ 花の宴(えん)
  ■あな おもしろや ここちよや

三宝院(さんぱうゐん)を 本(もと)として
見わたす限(かぎり) 花屏風(びゃうぶう)
  錦を飾る 武将(ぶしゃう)の袖(そで)
  光を争ふ 国の御稜威(ごみいつ)
鳴るや鼓(つづみ)の 鼕々(とうとう)
峰の松風 音添(そ)へて
  雪を廻(めぐ)らす 舞(まひ)の袖
  酔(え)へるか天も 花の宴(えん)
  ■あな おもしろや ここちよや

嵐を余所(よそ)の 下蔭(したかげ)
むつるる花の 軍君(いくさぎみ)
  栄華(えいぐわ)をみたす み池の水
  豪奢(がぅしゃ)を較(くら)ぶる 山の梢(こずえ)
大和心(やまとごころ)に 照(て)りあへる
比稀(たぐひまれ)なる この筵(むしろ)
  高き香(かをり)は外國(とつくに)
  果(はて)まで匂ふ 花の宴
  ■あな おもしろや ここちよや


歌詞:08/03/13:midi:10/01/11-16/02/22/おけらの唱歌