年中の歌(D)
新撰國民唱歌4/明治34年

作歌
作曲
大和田建樹
小山作之助

一月
あけゆく空の初霞
うす紫に棚びきて
のぼる朝日ののどけさは
■春の光になりにけり
四月
汐干にいでゝ貝ほれば
あさり蛤かずおほく
きのふも籠に満ちにけり
■けふ又ゆかん父上と
二月
梅のつぼみもふくらみて
まどの日かげの暖かさ
名高き寺の紅梅も
■みがてらいざや散歩せん
五月
茶摘の歌の聞ゆるは
はやくも夏になりぬらん
いちごとりつゝ遊びたる
■故郷の山ぞおもはるゝ
三月
垣根の桃の花見れば
南は赤く北白し
折りておくらん一枝を
■初雛まつりする家に
六月
門田のおもに賤の女が
うゑし早苗の葉末より
夜はみだれて飛ぶ蛍
■あつめてゆかんわが袖に
■以下十二月まで省略………

●同名異曲: 幼年唱歌4(明治35) 國民唱歌2(明治33)
新編教育4(明治39)

歌詞:2017/01/12/midi:2017/01/22/おけらの唱歌