相思樹の歌【D】
別れの曲(うた)

作詞
作曲
太田   博
東風平恵位
目にしたし 相思樹並木
行き帰り 去りがたけれど
夢のごと 疾き年月(としつき)
■行きにけん 後ぞ悔しき

(わざ)なりて 巣立つ喜び
いや深き 嘆きぞこもる
いざさらば いとしの友よ
■いつの日か 再び会わん

学舎の 赤きいらかも
別れなば 懐かしからん
吾が寮に 睦みし友よ
■忘るるな 離(さか)り住むとも
微笑みて 我ら送らん
過ぎし日の 思い出秘めし
澄みまさる 明るきまみよ(瞳)
■健やかに 幸多かれと



新おけら歌集(2024/07/12) / 楽譜:bunbun(2024/07)/Req:Furutaさん
■相思樹とはマメ科アカシアの仲間。花は黄金色。並木や生け垣用に植栽される。
▲この歌は、昭和19年「ひめゆり部隊」の女子学生が卒業式にうたう歌として作られたのですが、沖縄の地上戦が始まり、結局、にわか卒業式には、この歌ではなく「海ゆかば」を歌わされたそうです。現在ひめゆりの慰霊祭ではこの歌がうたい継がれています。尚、卒業生が第1節と第3節を歌い、在校生が第2節と第4節を歌います。
●ひめゆり部隊とは、師範本科2年(19歳)、高女4年(16歳)で卒業したが、学徒動員で陸軍病院や他の部隊に配属された。下は今の中学2年生の誕生日前の13歳。判明している死亡者数は236名、生存は104名、不明者は約70名。第三外科壕では、兵士や民間人を含めて約100名が殺されている。