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信濃の国は 十州に
境連ぬる 国にして
聳(そび)ゆる山は いや高く
流るる川は いや遠し
松本、伊那、佐久、善光寺
四つの平は 肥沃の地
■海こそ無けれ 物さわに
■万(よろ)ず足らわぬ事ぞなき
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尋ねまほしき 園原(そのはら)や
旅の宿りの 寝覚めの床
木曽の桟(かけはし) 架けし世も
心して行け 久米路橋
来る人多き 筑摩(つかま)の湯
月の名に立つ姨捨(うばすて)山
■知るき名所と風雅士(みやびお)が
■詩歌に詠みてぞ 伝えたる
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四方(よも)に聳(そび)ゆる山々は
御嶽、乗鞍、駒ヶ岳
浅間は 殊に活火山
いずれも 国の鎮めなり
流れ淀(よど)まず ゆく水は
北に犀川(さいがわ)、千曲川、
■南に木曽川、天竜川
■これまた国の 固めなり
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旭(あさひ)将軍、義仲も
仁科の五郎、信盛も
春台、太宰先生も
象山、佐久間先生も
皆この国の 人にして
文武の誉れ たぐいなく
■山と聳えて 世に仰ぎ
■川と流れて 名は尽きず
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木曽の谷には真木(まき)茂り
諏訪の湖(うみ)には魚(うお)多し
民の稼ぎも 豊かにて
五穀の実らぬ 里やある
しかのみならず 桑とりて
蚕飼(こが)いの業の打ちひらけ
■細きよすがも軽(かろ)からぬ
■国の命を繋ぐなり |
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吾妻はやとし 日本武(たまとたけ)
嘆き給いし 碓井(うすい)山
穿(うが)つ 隧道(とんねる)二十六
夢にも越ゆる 汽車の道
道一筋に 学びなば
昔の人にや 劣るべき
■古来 山河の秀(ひい)でたる
■国は 偉人のある習い |