深浦町の地形

 この地域の地形は、2つの断層によって、東側の山地(白神背斜山地)と中央部の丘陵性山地(長慶平丘陵地)および西側の半島状の台地(深浦台地)の3つに大きく区分されています。

深浦台地
 深浦と岩崎を結んだ線の西側(半島部)を占めて、250mが一番上の台地状の地形です。
 新第三系中部と上部の堆積岩層と火山岩層から構成されています。
 この地域の「海岸段丘」は教科書に載るほど典型的で、素晴らしいものです。
白神背斜山地
 この区域のボスは白神岳(1231m)で、大峯山、崩山、蟶山など600-900mの急峻な壮年期の山々が連なり、長慶平丘陵地に比べて一段と隆起しています。
 花崗岩類が基盤で、その上の新第三系下部の火山岩から構成されています。
長慶平丘陵地
 高度が360m以下の緩やかな地形で、新第三系中部と上部の堆積岩層と火山岩層から構成されています。
 この区域で特筆されるのは、「十二湖」の湖沼地形と日本キャニオンと呼ばれる崩壊地形です。
断層/隆起/沈降
断層(南北方向)
大間越断層
・長慶平、新湯、十二湖の東側を通る「雁行状」の断層群で、西落ちです。
・現在の地形でも断崖として現れ、300-600mの高さの急斜面を作っています。東側の険しい山地と、西側の200-300mの丘陵地とに、ハッキリと分かれています。
岩崎断層
・大間越断層に平行に走っています。広戸から深浦の東側を経て、岩崎に至っています。東落ちです。
・この線に沿って、田野沢層以上の地層が大戸瀬層に直線的に接しています。

断層(東西方向)
・吾妻川南股沢、岩崎東方、黒崎付近に見られますが、余りハッキリしていません。
・十二湖凝灰岩中の流紋岩は、この方向に並んでいます。

隆起/沈降
・長慶平丘陵地は巾6kmの南北に長い沈降帯です。
・深浦台地と白神背斜山地は、隆起帯です。
・この構造的分化が、大戸瀬層中部以後の地層の形成に影響を与えています。

ばっく