海岸段丘の発達

 ここ深浦台地地域は、青森県でも最も西に位置します。、5段にも及ぶ海岸段丘は、教科書にも載るほど典型的で見事なものです。夕陽に映える段丘の海からの眺めは最高です。

 岩層は新第三系中部の火山岩層と堆積岩名層で、これらが水平に重なり合った地形となっています。
 段丘は面の高さによって5つに区分されます。
第1段丘 170―200m
第2段丘  80―140m
第3段丘  60― 80m
第4段丘  20― 40m
第5段丘  20m
第1段丘
 図のように、深浦台地にだけ発達しています。南西にゆるい起伏があって、外縁部は一段と低くなっています。このため第1段丘を2段に区分する考えもありますが、ハッキリしない部分があって、全体で第1段丘となっています。
第2−4段丘
 これらはよく発達し、連続的な変化がはっきりしています。
第5段丘
 岩崎の笹内川下流の南側に発達するもので、段丘面は新しい。 沖積低平地はあまり発達していない。深浦の吾妻川や岩崎の笹内川の各流域、岩崎から南にかけての沿岸部にわずかに確認されています。
 岩崎から南の海岸は、後背に軟弱な堆積岩層があるため、砂浜がよく発達しています。冬の季節風によって「砂丘」が形作られています。

 図のように、深浦台地にだけ発達しています。南西にゆるい起伏があって、外縁部は一段と低くなっています。このため第1段丘を2段に区分する考えもありますが、ハッキリしない部分があって、全体で第1段丘となっています。
 岩崎から北側は、堅い火山岩(深浦流紋岩や安山岩)からなり、海食による顕礁(ランパート)海岸である。美しい岩石海岸のたたずまいは、夕陽海岸として全国的にも有名です。

海岸段丘の発達(詳細)

・上の説明と若干違う部分もありますが、より詳細な解説を載せました。
・ 鯵ケ沢から大戸瀬崎、更には深浦から岩崎を経て、秋田県の八森付近まで、見事な海岸段丘が発達しています。後背地は急峻な山地で、白神岳及び向白神岳の標高は1,200mを超えます。山地の西縁は、標高300-600mの急斜面で、その四方の丘陵に接続しています。
 丘陵の頂高は200-300mで良く揃い、最高位段丘である舮作段丘面に連続し、その外側にはより低位の段丘が発達しています。、また、深浦以北では段丘の外線に砂丘が発達しています。

舮作段丘
 大戸瀬崎と大間越の須郷崎を結ぶ線の西側に発達する平坦な丘陵背面の外縁部を占めています。段丘面の標高は鯵ケ沢−深浦では130-160mで、緩やかな起伏を持ちます。深浦−岩崎の段丘面の標高は170−200mで、侵食の進んだ残丘状の地形をなしています。
 構成層は鯵ケ沢−深浦では厚さ約3mの砂礫より成り、風化が進んでいます。この面を覆う厚さ3m程のテフラ(火山砕屑物)群の中ほどに、洞爺テフラ及び深浦テフラが挟まれています。深浦−岩崎の構成層については、露出不良のため、より詳細なものは不明です。

上晴山段丘
 鯵ケ沢から大戸瀬崎を経て深浦に至る地域に発達し、80−100mの段丘面の標高を有しています。
 鯵ケ沢−深浦では淘汰良好な(粒がそろった)礫を主とする厚さ約5mの、また原相から岩崎では厚さ約2mの共に淘汰良好な砂礫層より成り、これらは厚さ約2mのテフラ群に覆われています。このテフラ群の最下部に、厚さ10−15Cmの黄色火山灰として洞爺テフラが認められます。八戸地域の高館面に対比され、最終間氷期最盛期(12.4万年前)に形成されたと考えられています。

山田野段丘
 ここは赤石−北金ケ沢付近からは2段に分岐し、。高位段を深浦段丘、低位段を驫木段丘と呼んでいます。

1) 深浦段丘
 上晴山段丘の海側には断片的に分布しません。赤石−北金ケ沢付近での段丘面は標高約60mで構成層を欠き、大戸瀬崎付近では厚さ1.5−2mの礫質砂の構成層より成り、標高は70mです。
 驫木付近の本段丘は標高80m程の段丘面を持ち、砂礫より成り、深浦港付近の本段丘は高さ70-80mで、局所的に礫より成る薄い構成層を有しています。
 久田以南にも本段丘は発達し、久田付近での段丘面の高さは80mで、厚さ2m余の細−中礫を含む砂層を構成層としています。これより南方へも、ほぼ同じ高さで連なり、大間越より南では幅が狭くなり、不連続となっています。深浦−舮作では構成層を殆ど持っていません。多賀台面に対比され、約10万年前に形成されたと考えられています。

2) 驫木段丘
 赤石−北金ケ沢付近での段丘面の標高は約40mで構成層がありません。大戸瀬崎付近の本段丘は、標高50mで、厚さ1.5−2mの細−中礫層を主とし、上部に細礫質砂を伴う構成層があります。
 下晴山及び風台瀬付近では、礫及び砂より成る厚さ2.5-3mの地層を形成し、外縁部では面上に砂丘砂が載っています。
 驫木付近の本段丘は50m程の標高があり、礫を主とし砂を伴うl.5m前後の厚さの構成層が発達しています。深浦港付近の本段丘は分布標高40m程で、砂及び礫から成る厚さ4m以下の構成層の発達が認められ、鯵ケ沢−深浦では厚さ1.5mのテフラ群に覆われています。深浦以南では海抜30−40mの段丘面が幅狭く分布しています。
 深浦−舮作では構成層がほとんどなく、沢辺付近では局所的に厚さ1m前後の砂礫層を伴ない、厚さ約1mのテフラ群に覆われています。根城面の形成期である約8万年前の高海水準期に形成された可能性が強いと思われます。

田野沢段丘
 大戸瀬崎−風合瀬及び広戸付近の驫木段丘の外縁に断片的に分布しています。段丘面の標高は約40mであり、構成層は厚さ約3mの砂礫より成っていて、深浦テフラに覆われています。

久田段丘
 岩崎村久田付近の笹内川南岸に良く発達しています。段丘面は極めて明瞭で、標高は鯵ケ沢−深浦で25−30m、深浦以南では15m前後です。構成層は殆ど発達せず、厚さ数10Cmのテフラ群に直接覆われています。柴山面の形成期である約6万年前の高海水画期に形成されたと考えられています。
ばっく