アムール河の流血や(A)
一高東寮ゝ歌/明治34年

作詞
作曲
塩田  環
栗林 宇一

1: アムール河の 流血や
凍りて恨み 結びけん
二十世紀の 東洋は
■怪雲空に はびこりつ

4: 桜の匂い 衰えて
皮相の風の 吹きすさび
清き流れを けがしつつ
■沈滞ここに 幾春秋

2: コサック兵の 剣戟(けんげき)
怒りて光 ちらしけん
二十世紀の 東洋は
■荒波海に 立ちさわぐ
5: 向が丘の 健男児
虚声偽涙を よそにして
照る日の影を 仰ぎつつ
■自治領たてて 十一年
●虚声偽涙=きょせいぎるい
3: 満清(まんしん)すでに 力つき
末は魯縞(ろこう)も 穿(うが)ち得で
仰ぐはひとり 日東(にっとう)
■名もかんばしき 秋津島
6: 世紀新た に来れども
北京の空は 山嵐
さらば兜の 緒をしめて
■自治の本領 あらわさん


歌詞:10/07/02/midi:
■アムール河の流血とは、明治三十三年六月、ロシア軍が黒竜江(アムール河)に2万5千人の清国人を投じて虐殺した事件。永井健子との説もあるが、遺族同士の話し合いの結果、栗林宇一と判明した(昭和51年5月1日読売新聞)。