甲冑堂(Gm)
新訂高等小學唱歌3(昭和10)


女子用曲
作詞
作曲
作者不詳

義経の 家來となりて
上方に のぼり行きけん
奥州の 兄弟二人
■継信よ 忠信よ

慰めん いざいざ母よ
出で立し 嫁御の二人
太刀とりて被りぬ甲(かぶと)
■健気さよ 優しさよ

年若き 兄と弟
雄々しくも 敵と戦ひ
主のために 命おとしぬ
■梅かとよ 櫻とよ

その姿 刻み留めし
甲冑堂の 木像二つ
火に焼けて 消失せたれど
■などかは失せん その志

目の当たり 主は歸れども
歸らざる 子等の形見よ
今し見て 母は嘆きぬ
■ことわりよ 母と子よ


歌詞:11/01/20/midi:11/03/03/おけらの唱歌
■甲冑堂■
・宮城県白石市の田村神社の境内にあり、芭蕉と曽良が元禄2年に拝観したことでも有名。ただし、その後焼失。
 源義経の家臣、佐藤継信・忠信の妻女たちを讃えて、その像を安置している。継信・忠信は義経の身代わりとなって、敵に討たれ、その母がこれを嘆くのを見て、兄弟の妻、楓と初音が夫の鎧、兜をつけて老母を慰めたと伝えられる。
・現在の甲冑堂は昭和14年(1939年)12月3日に再建されたもので、継信、忠信の妻の話(「佐藤一族と義経について」参照)が国定教科書高等小学校読本でとりあげられたのをきっかけにして、甲冑堂再建の気運が高まり、寄付金などにより実現できたもの。