水車(F)
唱歌教科書3(明治35)

作詞
作曲
作者不詳


清き流れの 山河(やまかわ)
かゝれる山家(やまが)の この水車(みずぐるま)
  ■まはれるひゞき たぎれる水に
  ■峯の松風 只こたふなり

千年(ちとせ)百年(ももとせ)すみなれて
浮世はなれし この仙人(やまびと)
  ■志らが(白髪)のまゆ毛 志らがのひげに
  ■烟(けむり)吹きつゝ 只守るなり

落つる夕日に いそがれて
鳥はねぐらに おきなは家に
  ■常夜の闇を 守らんとてか
  ■車ひとりが 只めぐるなり

●同名異曲: 幼稚園唱歌(明治25) 唱歌教科書(明治35) 少年唱歌3(明治36)
大正幼年6(大正04) 小学新唱1(昭和07) 新訂尋常4(昭和8)
新高等小1(昭和10) 児童唱歌2(昭和11) 2年の音楽(昭和22)

歌詞:11/03/20/midi:11/04/04/おけらの唱歌
■演奏注意■
●此曲は八分の六拍子なり、即ち第一拍と第四拍とは強聲部にして、他は弱聲部たり、而して當曲は稍急速なる六拍子なれば、各小節を六拍に數ふる事なく、下拍に初めの八分音符三個を充て、上拍に次の八分音符三個を充てゝ、二拍子の如く數ふべし、故に曲首に掲げたる拍節機(メトロノーム)の度数も、附點四分音符(即ち八分音符三個相當)を単位(一拍)として數ふべきを示したり。
●第一段末節なる二個音符は必ず其価値だけ延長するよー注意すべし。
●本位記号(ナチュラル) 初めて當曲に於いて用ゐらる。