夕べのうたごえ「楽譜あれこれ」
2006/03/16

■ 秋田のkeiさんから端を発した「夕べのうたごえ」、隠れフアンであるlunatyさんやらきよちゃんやらが、またまた登場です。きよちゃんからはこの歌の出来たいきさつについて、語っていただきました。

夕べのうたごえ
kei 一般人(24回)-(2006/03/15(Wed) 14:49:17)
すずききよしさん、bunbunさん。
 手書きの「夕べのうたごえ」の楽譜を見つけ懐かしくなり歌ってみました。「おけら」のmidiはどんな感じかなと思い「おけら」のすずききよし集を開いてmidiを聴きながら楽譜を見たら私達が昔歌ったのとだいぶ(4箇所)違っていました。私達のはもっと明るく大声で(若かったせいもありますが)歌っていましたが今のはしっとりとして静かな感じです。
楽譜担当のビーさんに聞いたところ、自分の年代では歌った事が無く「うたごえ1000曲選」から載せたとの事でした。
 私達が昔歌ったのは「ニセモノ」の楽譜だったのか(でも手書きですが私達が歌ったのと同じ楽譜があります)それとも曲が一人歩きして「うたごえ1000曲選」に載ったような曲になったのかお聞きしたいです。



Re: 夕べのうたごえ
すずききよし mail 大御所(394回)-(2006/03/15(Wed) 23:26:35)
 Keyさん。今晩は。すずききよしです。
『夕べのうたごえ』を覚えていてくださって有難う御座います。本当に懐かしい思い出を昨日のように覚えています。うたごえの合唱曲ととしては、私としては3曲目ですが、全国的に歌われたのは最初の歌です。
 「1959年九州のうたごえ」男性四重唱曲で発表しました。この年は大変な年で、1960年の安保条約締結に向けて、岸信介自民党内閣は国民的な反対運動を封殺する為に、国民の抵抗の主力として官公労組
に対して、徹底的な弾圧を行ってきました。
 その頃私が合唱指導を受け持っていた『全電通・福岡中電』のうたごえサークルも狙われ、その秋結婚式を挙げる予定だったサークル員の、彼と彼女は筑後川を挟んで、60km以上も離れた田舎町に配転させられることになったのです。
 練習日に何時ものように中電の職場を訪れ、ベソをかいていた2人を励まして作った歌です。『毎晩9時になったら川岸でこの歌を歌えよ。声は届かなくても、心は届くだろう。うたごえの種が潰されたんじゃなかとよ。 うたごえの種を2粒にして蒔かれたとたい。大きな大きなうたごえの花を咲かせようよ。』 この歌は三井三池の大闘争で全国から駆けつけた応援オルグが覚えて持ち帰ったのです。
 昼間は、労働歌の元気のいい歌が皆に良く歌われたけど、夜故郷を離れて何日も、応援オルグに来ている労働者達は、夜は、ロマンチックなロシア民謡や、荒木栄の『三池の主婦の子守唄』『星よお前は』などや、この『夕べのうたごえ』などが大ヒットで歌われ、口伝えで、東京などの持ち帰られたのです。それを中央合唱団の某氏が採譜して、広まったのですが、「ラド/ミーファレミレシド/ラーーソソ/ドードドシドレラ/ミーーーミミ/ラーララソソファファ/ミーー」というメロディーなのが全然変ってしまって、まるで演歌みたいなこぶしで歌われていたので『唖然』。
 おまけに、世界的なチエロ奏者井上頼豊先生が『この歌は第2次世界大戦の時、前線にファシスト軍と戦いに出撃する、ソ連軍兵士と恋人の娘さんの、革命的なラブソングです』と広まっていて、後に井上先生は『すずきさんのこの歌が余りにも良い曲なのでロシア歌曲と錯覚してました。御免なさい。でもこの曲はブランツェルの作品に匹敵しますよ』と、大変お褒め戴きましたが、社交辞令でしょう。きっと?(故井上頼豊先生御免なさい)
 と言うわけで、ビーさんの楽譜が正しいのです。30年程前にNHK合唱団が『すずききよし作品集』を放送した時もこの、私自身の作品集からです。 ブンブンさんも持っているそうです。
 凄く長くなって御免なさい。

 
Re: 夕べのうたごえ
webmaster mail 大御所(1747回)-(2006/03/16(Thu) 01:07:14)
★んばんは
 おやぁー………ばんけのkeiさんだ。それと不屈の闘志きよちゃん!
 夕べのうたごえばすりあわせてみました。実はlunatyさんからもいろいろと資料を………。lunatyさんの資料とkeiさんの手書きを同じとします。きよちゃんの譜面は「すずききよしの105曲(愛と抵抗の世界)」(これはきよちゃんの資料と同じです)からのものです。あと「1000曲集」か………。音は実音といたします。
 ●苦しい闘いに………「苦しい」の「い」  ・1000:Ab/lunaty:G/kiyo:G
 ●離れても………経過音「てー」  ・1000:C/lunaty:G/kiyo:C
 ●若者と娘は………「め」  ・1000:A/lunaty:Bb/kiyo:Bb
 ●進み行く………経過音「ゆー」  ・1000:A/lunaty:Bb/kiyo:A
 ●平和を………「わ」  ・1000:Eb/lunaty:G/kiyo:Eb

 と、こんな感じになっています。いやはやきよちゃんが書いた楽譜がTPOに応じてあっちにいったりこっちに来たりですね、そんなもんかも知れませんが、おけらではそれなりに………と思っています。ビーさん楽譜がokだとすれば、このまんまでいいんですね! 風邪気味であんべーの悪いところを、ありがとさんでした。  (^^)/~~~

lunatyさんの資料1+コメント
+アコ譜+
2006年3月15日 21:44
 この記事をみて、「おけら」のmidiを聴いてみました。5箇所違うような気がしました。
 具体的には、
「くるし(い)」Ab・G「はなれ(て)て」C・D「むす(め)は」Ab・Bb「すすみゆ(ー)く」Ab・Bb「へい(わ)を」Eb・Gの違いです。なお、2回目を聴いたときは幾つかは自信が揺らいだりしたこともありましたが。
 私の手許にあるものでは一つしか楽譜がありませんでしたが、私の記憶のものと一致していました。上記記載の[Ab・G]のうち後のほうがそれで、「青年歌集のアコーディオン伴奏集第3集」(71年8月、音楽センター発行)掲載の楽譜にあるメロディ譜からです。1000曲選と同じ音楽センター発行のものです。
 因みに、同じ音楽センター発行のものでも発行時期によってかどうか歌詞(訳者)が違っていたりするものがあることは例がありますが、こういうものもあるのですね。
 なお、当時私が属していたサークルの歌集では1967年〜71年まで載っていたようです(楽譜は直ぐには確認できませんが)。多分、このメロディ譜と同じものだと思われます。

 これらから考えると、 
Q1: 私達が昔歌ったのは「ニセモノ」の楽譜だったのか?→ということではなさそうですが、
Q2: それとも曲が一人歩きして「うたごえ1000曲選」に載ったような曲になったのかお聞き……?
 そういう「一人歩き」なのか、あるいは「原曲復帰」なのか、そういう興味・疑問が残りますね。

lunatyさんの資料2
+お宝発見+

字が小さくて申し訳ありません

lunatyさんのコメント
2006年3月16日 16:46
 おけら掲示板のすずききよしさんの投稿をみて、どこかで読んだ記憶がある内容だと思って探してみました。ありました。
 しかも、驚き、楽譜についても言及されていました。うた新でした。添付ファイル参照。いま問題となっていることについてすずききよしさんが投稿したものでした。
 ただ、不思議なのは、この投稿は1966年9月20日号掲載です。私が前に送ったものは「青年歌集のアコーディオン伴奏集第3集」は71年8月、音楽センター発行)ですから、これを反映していないことになります。従前から使われていた楽譜がそのまま掲載されてしまったということなのでしょうか。

いままでで分かったことを整理すると、

●原曲と違う楽譜は、口伝えで伝わった此の歌が楽譜に採譜されたときに、ハーモニーの方の旋律や伴奏の修飾譜が間違ってメロディとされて しまったらしい。
●・作者がうたごえ新聞等への投稿等で原曲と違う指摘がなされていたにもかかわらず、間違いが是正されず、その後も、全国的な普及に大きな役割 を果たしたと思われる音楽センター発行の著作物(例えば「青年歌集の アコーディオン伴奏集第3集」71年8月、音楽センター発行)でも間違ったほうの楽譜が使われてしまった。

 因みに、私は、この記事で、歌の言われは読んだものの、肝心な楽譜に言及した部分については、全く読んでいなかったようです(反省)。

Re: 夕べのうたごえ
kei 一般人(25回)-(2006/03/16(Thu) 11:45:24)
すずききよしさん、bunbunさん。私の疑問に直ぐにお答え頂きありがとうございました。

 すずききよしさんはお風邪で体調が良くないのに作曲した当時の歴史的背景やその後の「夕べのうたごえ」がどのように広まって行ったかなど詳しく教えていただき本当にありがとうございました。
良い曲には色々な歴史(生い立ち)があるんですね。
 bunbunさんも詳しい音の説明ありがとうございました。結論として私達が歌っていたのは「ニセモノ?」で「うたごえ1000曲選」「おけら」の楽譜が正しいと言う事ですね。
 ちなみに手書きの楽譜とは(書いて良いのかな?)今うたごえ喫茶等あちこちで使用されている“歌声喫茶ともしび”の「うたの世界」の伴奏集です。非売品?で某氏が伴奏者の為に善意で作った物ですから公表しちゃまずいかもしれませんが、この「おけら」を見ている伴奏者は正しい楽譜に訂正して弾くのが作曲者に対しての義務と思います。私も直ぐ訂正して正しい楽譜に頭を切り替えます。
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