ソルモフスカヤの抒情歌【Em】

詞曲
訳詞
ロシア歌曲
島村  喬

街は遠く ヴォルガは広い
舟は誰かを 呼んでいる
■入陽に映える 街のほとり
■あの子はそこに
■住んでいる
●入陽に映える 街のほとり
●あの子はそこに
●住んでいる

風と共に 帰ってきた
いつか贈った 襟巻が
■微かな香り 名残とどめ
■思い出は 切なく滲む
●微かな香り ……ref……
誰かの声 遥か聞こえる
街の工場の 汽笛の音
■木魂のように 聞こえて来る
■あの子は そこで
■われを待つ
●木魂のように ……ref……

街は遠く ヴォルガは広い
舟は誰かを 呼んでいる
■入陽に映える 街のほとり
■あの子はそこに
■住んでいた
●入陽に映え ……ref……

ヴォルガをわたる 風のように
走り行きし あの娘の顔に
■冷たい風が 吹いていた
■心を込めた 恋だったが
●冷たい風が ……ref……


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新おけら歌集(10/10/10/-12/28) ロシアの詩 / 楽譜:ビーさん(11/03)

■ソルモフスカヤの抒情歌
 ソルモフスクというのはヴォルガにそった新興都市である。戦後は各地に新興都市が建設されたが、それに先立って労働者が大量に送り込まれ、先ず周辺にストリヤルケという労働者街が建てられる。
 この歌はそのストリヤルケに住んでいた娘との関係をうたいつつ、背景に広いヴォルガを配し、二人の男女の恋愛をうたい・生産とヴォルガという典型的な風土をいれ・この三つをひとつの抒情でうたいあげようとしたところに、新しいリリカルの味がある。これでこそいわゆるソ連の歌曲だといっていいだろう。
 但し原曲のテンポは非常に速くて、少しばかかり抒情性に欠けるところがあるので、私はむしろゆっり歌うべきだと思っている。

●百瀬三郎
 元満日東京政治部、東條内閣国策研究会講師、戦後は作家。政治学者である櫻田淳氏の叔父。作詞家の島村喬と同一人物。山崎豊子氏と、剽窃盗作『華麗なる一族』に関して裁判になったことがある。
1960/01/28 百瀬三郎【島村喬】