さすらいの唄【Dm】
−大正6年戯曲「生きる屍」より−

作詞
作曲
北原 白秋
中山 晋平


行こか戻ろか 北極光(オーロラ)の下を
ロシアは北国 果て知らず
西は夕焼け 東は夜明け
 ■鐘が鳴ります 中空(なかぞら)

泣くにゃ明るし 急げば暗し
遠い燈火(あかり)も ちらちらと
とまれ幌馬車 やすめよ黒馬(あお)
 ■明日の旅路が 無いじゃなし

燃ゆる思いを 荒野(あれの)にさらし
馬は氷の 上を踏む
人は冷たし 吾が身はいとし
 ■街の酒場は まだ遠し

わたしゃ水草 風吹くままに
流れ流れて 果て知らず
昼は旅して 夜は夜で踊り
 ■末はいずくで 果てるやら




新おけら歌集(09/11/05-09/03/01)唱歌レコード / 楽譜:ビーさん(09/08)

■大正6年、明治座で行われた芸術座第9回公演「生ける屍」の劇中歌。「にくいあん畜生」「今度生まれたら」とともに、北原白秋が流行歌に手を染めた最初の曲。