■私は還らずにはいられない
ブランテールの作曲でレベジョフ・クマチが詩を書いた。レベジョフ・クマチは赤軍の当時少佐で、ずい分沢山、戦争中は士気を鼓舞する詩を書いた。クマチというのは一種の彼に与えられた、詩人としての称号みたいなもので、直訳すると「赤いファスチャン織り」、つまり丈夫な「あや織り」のことをいうのだが、何故それがレベジョフの詩をたたえるための称号とされているのか、については詳しく知らない。彼は確か現在はもう少将なはずだ。彼の代表的な詩は「鴬」だろう。他は独軍によって破壊し尽された都市や町、村落をここで歌っているのだ。どのように村や街が破壊されても、私はきっとお前のところへ帰っていく「私は還らずにはいられない」のだ、と全ソの国民に呼びかけたのが胸を膊った。1943年頃の歌である。 |
1960/01/28 百瀬三郎【島村喬】 |
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