うぐいすの屁/ (海浦 義円)


 むかしむかし、あるところに正直なお爺さんとお婆さんがいました。その隣の家は意地悪なお爺さんとお婆さんで、村中の嫌われ者でした。

 ある日、お爺さんとお婆さんが野良仕事をしていると、お姫様の行列が通りかかりました。あわてて、道端に平服(なづぎをつけておじぎ)しましたが、運悪くお爺さんが屁をしてしまいました。

 あわやお手討ちと、お爺さんとお婆さんは青くなりましたが、このお爺さんの屁は、そんじょそこらの人とは違い、とてもいい音色(おどっこ)なのです。その時も、「ピーヒャララ ピーヒャャララ トンツクテンテン スッテンテン」と、音がしました。

 籠の中のお姫様は大喜びで、もう一度聞きたいといい、お爺さんはまたまた、「ツクツクテン トンツクテン ピーヒャララ ポンポコポン」と、屁をふりました。お姫様は拍手大喝采の大喜びで、たくさん褒美をくれました。

 それを聞いた、隣の意地悪なお爺さんとお婆さんは、自分たちも褒美を貰いたいと思いました。そこで、お爺さんの尻をたたいて特訓をしました。

 お爺さんは、「ガダラグジャ ビーダラ ビー」と、屁をしました。お婆さんは、「なんぼ下手だば、もう一回やってみれ!」「グチャビチャ ビー」と、何度やっても同じです。それでも終いには「ピー スカ ピー 」となりました。

 それで、意地悪なお爺さんとお婆さんは、お姫様の通りそうな道で待っていました。
 来ました来ました。お姫様の籠です。お婆さんはお爺さんの尻をこづきました。しかし、お爺さんは緊張していたので、特訓の成果が表れず、いつもの通り、「ガダラグジャ ビーダラ ビー」と屁をしました。

 意地悪なお爺さんとお婆さんは、大変お叱りをうけましたとさ。

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