見入山の観音様伝説


 深浦の追良瀬サ、松原ってスどご(所)あってシ、そごの見入山サ観音様ァあるんダ。

 見入山の観音様ァ、津軽霊場33ヶ所の第9番目の札所になっているんでゴス。その観音様サお参りするのァ、まんず難儀なもんで、胸突き八丁ズもんでなく、九丁も十丁もあるエンたもんです。誰ァ建てだンダガ、よぐあした(あんな)所サ観音様ァ建でたもんだキャ。

 とごろで、おめ達ァその観音様サ、コシタ(こんな)話コあるの、おべでらがナァ(知ってますか)。

 この観音様ァ、ズーッと昔から見入山サあるんだバッテ(が)、観音様ァ建でられてがら、かれでも(壊れても)誰(だぁ)も直した人(ふと)ァいねんだド。

 雨だの風だの、崖(がんけ)崩れで壊(か)れてまっても、嵐の晩(ばんげ)になれば、観音様の家来コ達がみんなして直してまるんダド。したはんて(だから)、誰も直した人いなくてあったんダド。

 したばって(が)ホレ、世の中には、でしゃばりだ人いるもんだキャ。

 その昔、弘前の和尚様が見入山サ来て、お堂があんまり壊れているドゴデ(もで)、松原の人サ「これだば直さねば、マイネ(だめだ)。」ってしゃべったんダド。松原の爺様達ァびっくりして、「今まで誰(だぁ)も直した人いねんでゴス。昔がら、嵐の晩になれば観音様の家来コ達が直してマル(しまう)ハンデ(から)、かもねで(構わないで)ケデゴヘ(ください)。」って申しあげだンダド。

 したばって、その和尚様ァ、爺様達の話コ全然聞がねで(ないで)、津軽の殿様サ「なんとか、直してケデゴヘ」って申し上げたんダド。殿様も信心深い方であったドゴデ、腕のいい大工達サ直させだんダド。

 見入山の観音様は、嵐の日になれば直す気になってあったのに、勝手に直してマッタ(しまった)ドゴデ、呆れでまったんダビョン(でしょう)、それがらは、なんぼ壊れても直してケナグ(くれなく)なってまったんダドシャ。    トッツパレコピー

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