1 |
父よあなたは強かった
兜(かぶと)も焦がす炎熱を
敵の屍(かばね)とともに寝て
泥水すすり草を噛み
荒れた山河を幾千里
■よくこそ撃って 下さった
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4 |
友よわが子よありがとう
誉(ほまれ)の傷の物語
何度聞いても目がうるむ
あの日の戦に散った子も
今日は九段の桜花
■よくこそ咲いて 下さった
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2 |
夫よあなたは強かった
骨まで凍る酷寒を
背をも届かぬクリークに
三日も浸かっていたとやら
十日も食べずにいたとやら
■よくこそ勝って 下さった
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5 |
ああ御身(おんみ)らの功(いさお)こそ
一億民(たみ)のまごころを
ひとつに結ぶ大和魂(だま)
いま大陸の青空に
日の丸高く映えるとき
■泣いて拝む 鉄兜
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3 |
兄よ弟よありがとう
弾丸(たま)も機雷も濁流も
夜を日に進む軍艦旗
名も荒鷲の羽ばたきに
残る敵機の影もなし
■よくこそ遂げて 下さった |
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