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廟行鎮(びょうこうちん)の敵の陣
我の友隊(ゆうたい)すでに攻む
折から凍る如月(きさらぎ)の
■二十二日の午前五時
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大地を蹴りて走り行く
顔に決死の微笑あり
他の戦友に遺せるも
■軽(かろ)く「さらば」と唯一語
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命令下る正面に
開け歩兵の突撃路
待ちかねたりと工兵の
■誰か後(おくれ)をとるべきや
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時なきままに点火して
抱(いだ)き合いたる破壊筒
鉄条網に到り着き
■我が身もろとも前に投ぐ
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中にも進む一組の
江下北川作江たち
凛たる心かねてより
思うことこそ一つなれ
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轟然おこる爆音に
やがて開ける突撃路
今わが隊は荒海の
■潮の如く踊り入る
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我等が上に戴(いただく)くは
天皇陛下の大御稜威
後に負うは国民の
■意志に代われる重き任(にん)
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ああ江南の梅ならで
裂けて散る身を花と成し
仁義の軍に捧げたる
■国の精華の三勇士
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いざ此の時ぞ堂々と
父祖の歴史に鍛えたる
鉄より剛(かた)き「忠勇」の
■日本男子を顕(あらわ)すは |
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忠魂清き香を伝え
長く天下を励ましむ
壮烈無比の三勇士
■光る名誉の三勇士 |