1: |
アムール河の 流血や
凍りて恨み 結びけん
二十世紀の 東洋は
■怪雲空に はびこりつ
|
4: |
桜の匂い 衰えて
皮相の風の 吹きすさび
清き流れを けがしつつ
■沈滞ここに 幾春秋
|
2: |
コサック兵の 剣戟(けんげき)や
怒りて光 ちらしけん
二十世紀の 東洋は
■荒波海に 立ちさわぐ |
5: |
向が丘の 健男児
虚声偽涙を よそにして
照る日の影を 仰ぎつつ
■自治領たてて 十一年 |
|
|
|
●虚声偽涙=きょせいぎるい |
3: |
満清(まんしん)すでに 力つき
末は魯縞(ろこう)も 穿(うが)ち得で
仰ぐはひとり 日東(にっとう)の
■名もかんばしき 秋津島 |
6: |
世紀新た に来れども
北京の空は 山嵐
さらば兜の 緒をしめて
■自治の本領 あらわさん |