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渡るにやすき 安城(あんじょう)の
名は徒(いたづら)の ものなるか
敵の打ち出す 弾丸に
■浪は怒りて 水さわぎ |
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打絶えたりし その時は
弾丸 のんどを貫けり
かすかになりし その時は
■熱血氣管に あふれけり |
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●別名:安城の渡 |
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湧き立ちかへる くれなゐの
血汐の外(ほか)に 道もなく
先鋒たりし 我軍の
■苦戦のほどぞ 知られける
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6 |
弾丸 のんどを貫けど
熱血 氣管にあふれるど
喇叭は はなたず握りつめ
■左手(ゆんで)に杖つく 村田銃
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3 |
この時 ひとりの喇叭手は
とり佩(は)く太刀の 束の間も
進めすゝめと 吹きしきる
■進軍喇叭の すさまじさ
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7 |
たまと その身はくだけても
霊魂 天地をかけめぐり
なを敵軍を やぶるやむ
■あないさましの 喇叭手よ
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4 |
その音(ね) 忽ち打ち絶えて
再び かすかに聞こえたり
うち絶えたりしは 何故(なにゆえ)ぞ
■かすかなりしは 何故ぞ |
8 |
雲山萬里 かけへだつ
四千(しせん)餘萬の 同胞も
君が喇叭の ひびきにぞ
■進むは今と 勇むなる |