謡ひて謝せよ(F)
明治唱歌 第二集/明治21年12月

作詞
作曲
大和田建樹
上 真行


朝霞(あさがすみ) まだ夜(よ)をのこす
(たに)かげの さびしき空(そら)
(たれ)かまづ 春(はる)をいざなふ
  ■うつくしき たゞ鳥(とり)の歌(うた)

(くも)ふかく 里(さと)へだゝりて
友(とも)とほき 旅路(たびぢ)の暮(くれ)
(う)きこゝろ たれなぐさむる
  ■いさましき たゞ水(みづ)の歌

鳩車(はとぐるま) ひきつかれたる
をさなごを 夢(ゆめ)に送(おく)りて
(たれ)かその ねむりを守(まも)
  ■愛(あい)ふかき たゞ母(はは)の歌

(ひと)の世(よ)の はかなきねがひ
(う)き沈(しづ)み 身(み)をおほふ時(とき)
胸(むね)の火(ひ)を 誰かしづむる
  ■清浄(しやうじやう)の たゞ神(かみ)の歌

おもへ人(ひと) 耳(みみ)にわかれて
うまれなん世は いかならん
もろともに うたひて謝(しや)せよ
  ■世にあまる あゝ神の恩(おん)


歌詞:08/07/12/midi=09/01/23