1 |
家のうしろに さらさらと
あゆみすゝむる ながれあり
ながれにそひて一本(ひともと)の
■老木(おいき)の椿かげたかし
|
4 |
清きひかりを やどしつる
二っつの星は かげきえて
川のあなたの 古寺に
■二っつの墓はきづかねぬ
|
2 |
みどり色こく 枝たれて
さしおほいたる 下かげに
落ちたる花を あつめつゝ
■ふたりの子らは 遊ぶなり
|
5 |
かげをうつしゝ 川水は
よどむ時なく ながれつゝ
老木の椿 この春も
■花咲きてまた 花ぞ散る
|
3 |
はなだの糸に つらぬきて
まろき花わや つくるらむ
ひしひし花を つみかさね
■花の山をや きづくらむ |
|
|