忠臣(G)
新編教育唱歌集X(明治29)

作詞
作曲
中村秋香
多 梅稚


楠正成(其一)

東魚(とうぎょ)は躍りて 波起こし
西鳥(さいちょう)(かけ)りて 空掩(おほ)
常闇(とこやみ)のよの 雲分けて
沈める日影 回(かへ)しつる
君が勲功(いさを)は 天津日の
照らさん限り 湊川
(おみ)の鑑(かがみ)と 輝きて
  ■鎮まりませり 御霊代(みたましろ)
●同名異曲: 小学唱歌集3(明治17) 新編教育唱歌(明治29)
名和長年(其二)

先ず六波羅に とゞろきて
鎌倉山を 吹きまくり
関八州を 靡(なび)かしゝ
船上山(ふなのへやま)の 山おろし
(はげ)しかりつる その功(いさを)
誰か仰がぬ 人かある
(たぐい)なかりし その操
  ■誰か慕はぬ ものかある
兒島高徳(其三)

高嶺の紅葉 散り果てゝ
笠置の山の 秋寒く
檜原のみゆき 且(かつ)消えて
杉坂峠 風すごし
嗚呼その櫻に 咲出でし
日本心(やまとごゝろ)の 花の色は
雨に嵐に うつろはで
  ■とはに匂へり かぐはしく
楠 正行(其四)

北山颪 寒けれど
墨田 池尻 八尾 誉田
結びし氷も 解けぬべく
南の風ぞ かつきほふ
忠孝ともに 全(また)くせし
君が勲の あとゝへば
如意輪堂の 月暗く
  ■四条畷に 雨咽(むせ)


歌詞:2008/07/14/midi: