都の雪(C)
新編教育唱歌7(明治29)
作詞
作曲
作者不詳
1
岡邊の松に さわぎし風の
音しづまりて 明けゆくみそら
鵞鳥の羽の それより軽
(かろ)
く
ちりくるものは 櫻か綿か
見る見る天地
(あめつち)
しろたへに
うもれて清き あしたの眺
いざ わが昔の 跡をも尋ねん
■この雪 ふみて
3
白銀しきて 晴ゆく雪の
ちまたは 塵のけがれも見えず
あした静けき 都の空に
かがやく朝日 うつくし清し
武蔵の入海 波立たで
治る御代の そのゆたけさを
天さへ地
(つち)
さへ示して降らせる
■この雪 あはれ
2
ふりくる雪を 拂ひもあへず
つもる恨みの 仇
(あた)
うちとりて
かちどきあげし 赤穂の義士の
雪にもまさる その名の清さ
松風さびしき 泉岳寺
あととふ人の 涙はいかに
見よ見よ竝
(なら)
べる石碑の面に
■うもれぬ 文字を
4
雪よりすごき 劔の光
花より赤き 丈夫の血しほ
心にかゝる 浮雲はれて
思は遂げたり君家
(くんか)
のために
ゆききも にぎはふ 櫻田の
門にて 昔を語るはたれぞ
わすれぬ歴史の形見をのこせる
■松ヶ枝 あはれ
歌詞:2008/07/14/midi:09/07/29