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高津の宮より 見給(みたま)へば
ながめはてなき 國原(くにばら)に
立てる烟の すくなきは
■貧しき人や 多からん
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ふたたびのぼりて 見給へば
民のかまどの 朝けむり
今ぞゆたかに 立ちのぼる
■富みたる國の 色みせて
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大宮やぶれて 檐端より
月は漏れども 葺(ふ)きもせず
民のなげきを 身一つに
■聖主は憂ひ たまひけり
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5 |
あーわれ富めりと のたまひし
深きなさけの 御(み)言葉は
千代につたへて たぐひなき
■ひじりの御代と 仰ぐなり
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三年(みとせ)の貢を ゆるせとの
惠あまねき みことのり
雨とうるほひ 露とおき
■青人草(あおひとぐさ)にかゝるらん |
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