愛國の歌(F)
新撰國民唱歌3/明治33年

作歌
作曲
楓鹿 山人
小山作之助
1: 御國を愛せよ
生まれし國を
■住家も 茲ぞや
■ふせげや ふせげ

6: 陸地を 守れる
我 軍隊は
■銃劍 揃へて
■馬まで ならす

2: 御國は祖先の
治まる土地ぞ
■墳墓を 汚さず
■まもれや まもれ

7: 海邊を 守れる
わが 軍艦は
■烟(けむり)を 浪間に
■たゝへて 浮かぶ

3: 惠める 主上に
誠を 盡(つく)
■主上は 貴き
■父母なるぞ

8: 業をも 勵(はげ)みて
よの富 ませよ
■學業 修めて
■わが法(のり) 示せ

4: 他國に 類なき
三種の 神器
■仰げば 貴し
■日の出の 御陵威

9: 雲間に 聳える
駿河の 富士の
■變らぬ 形ちは
■我等の 操

5: 四方には 果なき
海原 めぐり
■内には 祭れる
■神 おびたゞし
10: 浪間も 靜けく
澄む 琵琶の海
■盡せぬ 水こそ
■御國の しるし

勸學の歌
1: 文かき 學びて
智識を 磨け
智識は 世界の
■開くる 基(もとゐ)

6: 見知らぬ 土地にて
迷ひも せぬは
■地理書をしらべし
■學びの 徳よ

2: わが家 思ふも
御國の 為ぞ
■天皇の 教へを
■忘るな 人よ

7: 話せる 電話も
走れる 汽車も
■物理を 習ひし
■たまもの なるぞ

3: 螢の 光と
窓おく 雪に
■勵みし 昔しに
■劣らず 學べ

8: 英語を 學ぶも
佛語を 読むも
■明けし 御代には
■たよりも 多し

4: 生れて 知りたる
(ためし)は なきぞ
■習ひて 覺へて
■おこなひ 果げよ

9: 波風 ふきよる
學びの 海に
■針路を 定めて
■迷はず 行けよ

5: すぎにし 昔しの
歴史を 知りて
■物事 するにも
■鑑(かがみ)とせよや
10: 開くる 今世に
(せき)こそなけれ
■心の 駒にも
■鞭うち 進め

●同名異曲: 女学唱歌1(明治33) 國民唱歌3(明治33)
女学唱歌1(明治43) 新高等小1(昭和07)

歌詞:2017/08/24/midi:2017/8/24/おけらの唱歌