さようならのうた【D】
+すずききよし作品集+

作詞
作曲
すずききよし


それではみなさん さようなら
今日の思い出を いついつまでも
忘れないように 胸にしまって
 ■またの逢う日を 約束しましょう




新おけら歌集(06/09/20) / 楽譜:ビーさん(2006/11-13/08)

すずき・きよし論
矢沢  保′
■すずき・きよしの代表作と云えば、まず「俺らの空は鉄板だ」ということになる。これが歌い出されたのは1969年のことだが、それは高石ともやなどの関西のアングラ派が一斉に水平線上に浮ぴ上ってきた時代だった。
 現代のワーク・ソングともいうぺき、「俺らの空は鉄板だ」は中でも異色の作品として、同じ系列の「とび職ぐらし」や「ボタ山くずし」などの作品と共に、彼を生活派フォーク作家として、私達に強く印象づけたのであった。

■僕がすずき君を初めて見たのは、69年の秋。ビデオホールで「フォークソングに何が出来るか」という討論をやった時だった。フォークゲリラと高石事務所で企画Lたこの公開討論で、彼は中村とうよう、竹中労などの情念的なフォーク論と真正面からぶつかって、孤軍奮闘の呈だった。この食い違いは、フォークを頭の中だけで考える観念論と、実際に作曲して歌い拡めていく実践論との差異に他ならなかった。'
■60年後半、京都のポロや神戸の赤い屋根(赤い鳥の前身)をはじめ、関西に正統な民衆フォークの伝統を守り続けたのは、すずき君のカに負う所が大である。その中で彼は作る立場から、歌う立場に大きく変っていった。京都の大江山キャンプを出発点として、今、その運動は、地道に発展をつづけている。そして、すずき・きよしはいつもその先頭に立っている。彼二そは、日本のレン・チャンドラーだと僕は思う。
SINGOUT1(一声社 1974/05/25刊)引用