組曲「地底のうた」 【F】
+荒木栄作品集+
|
|
作詞
作曲 |
荒木 栄 |
|
■ |
序章 (合唱) |
|
………前奏(序章)F……… |
|
|
有明の海の底深く 地底にいどむ男たち
働く者の火をかかげ 豊かな明日と平和のために
たたかい続ける 革命の前衛 炭鉱労働者
|
■ |
第一章(テノール独唱・合唱) |
|
………前奏(第一章)F……… |
|
1 |
眠った坊やのふくらんだ 頬をつついて表に出れば
夜の空気の冷え冷えと 朝の近さを告げている |
|
………アコ間奏……… |
|
2 |
「ご安全に」と妻の声 渡す弁当のぬくもりには
つらい差別に負けるなと 心をこめた同志愛 |
|
………間奏(第一章)Fm……… |
|
|
夜は暗く 壁は厚い
だけれど俺たちゃ負けないぞ
職制のおどかし恐れんぞ あのデッカイたたかいで
会社や、ポリ公や、裁判所や、暴力団と・・・
男も女も、子供も 年寄りも
「ガンバロウ!」の歌を武器に
スクラムを武器に 闘い続けたことを忘れんぞ |
|
………間奏(第一章)Fm……… |
|
|
夜の社宅の眠りの中から
あっちこっちからやってくる仲間
悲しみも喜びも分け合う仲間
闇の中でも心は通う 地底に続くたたかいめざし
今日も切羽(きりは)へ 一番方(かた)出勤
|
■ |
第二章(合唱) |
|
………前奏(第二章)Dm……… |
|
1 |
崩れる炭壁(たんぺき) ほこりは舞い 汗はあふれ
担ぐ坑木 肩は破れ 血は滴る
ドリルはうなり 流れるコンベア 柱はきしむ………
独占資本の合理化と
命をかけた闘いが夜も昼も |
|
………アコ間奏……… |
|
2 |
暗い坑道 地熱に焼け ただようガス
岩の間から 滴る水 頬をぬらし
カッターはわめき 飛び去る炭車 岩盤きしむ
「落盤だァー」 「埋まったぞー」
米日反動の搾取と
命をかけた闘いが 夜も昼も続く………
|
■ |
第三章(テノール・バリトン重唱) |
|
………前奏(第三章)Cm……… |
|
|
落盤で殺された 友の変わり果てた姿
狂おしく取りすがる 奥さんの悲しみ
幼児(おさなご)は 何にも知らず 背中で眠る
胸突き上げるこの怒り この怒り |
|
ピケでは刺し殺され 落盤では押し潰され
炭車のレールを血で染めた仲間 |
|
労働強化と保安のサボで 次々に仲間の命が奪われてゆく |
|
奪ったやつは誰だ! 「三井独占!」
殺したやつは誰だ! 「アメリカ帝国主義!」
奪ったやつを 殺したやつを
許さないぞ 断じて許さないぞ
|
■ |
第四章(合唱) |
|
………前奏(第四章)C……… |
|
1 |
おれたちは栄えある 三池炭鉱労働者
団結の絆 さらに強く
真実の敵打ち砕く 力に満ちた闘いを
■足取り高く すすめよう |
2 |
おれたちは栄えある 三池炭鉱労働者
スクラムを捨てた 仲間憎まず
真実の敵打ち砕く 自信に満ちた闘いの
■手を差しのべよう 呼びかけよう |
3 |
おれたちは栄えある 三池炭鉱労働者
弾圧を恐れぬ 不敵の心
真実の敵打ち砕く 勇気に満ちた闘いで
■平和の砦 かためよう
■かためよう
|
|
新おけら歌集(05/08/08) / 楽譜:ビーさん(2005/01) |
■日本の労働運動とうたごえ運動が創り出した傑作といわれ、この曲を貫いているものは、労働者の解放への確信を最も厳しい現実の中から歌い上げている点。それは技巧を越えて生き抜こうとする人間の闘争の強烈な意欲だろう。 |
清瀬 保二 |
|