てぃんさぐぬ花【Eb】

作詞
作曲
沖縄県民謡

1: てぃんさぐぬ花や
爪先(ちみざち)に染(す)みてぃ  
(うや)ぬゆし事(ぐとぅ)や 
■肝(ちむ)に染(す)みり

ホウセンカの花は
爪先に染めなさい。
親の言うことは、
■心に染めなさい
2: 天ぬぶり星(ぶし)
ゆみばゆまりゆい
(うや)ぬゆし言(ぐとぅ)
■ゆみやならん

天の星々は
数えようと思えば
数えられるが、
親の言うことは、
■数えられない
3: 夜はらす舟(ふに)
にぬふぁ星
(ぶし)(み)あてぃ
(わん)なちぇる親や
■我どぅみあてぃぬ覚めて

夜、沖に出る舟は
北極星が目当て
私を産んでくれた親は
■私が目当て
4: 宝玉(たからだま)やてぃん
磨かにば錆びす
朝夕肝(あさゆちむ)磨ち
■浮世(うちゆ)渡ら

宝石でも
磨かないと錆びてしまう
朝晩心を磨いて、
■世の中を生きていこう
5: 誠する人や
後や何時までん
思む事ん叶て
■千代ぬ栄い

誠実な人は
後はいつまでも、
思っていることが叶って
■末代まで栄える
6: なしば何事ん
なゆる事やしが
なさぬ故からど
■ならぬ定み
成せば何事も
成ることだが
やらないから
■成らないのが当たり前



新おけら歌集(06/02/09) / 楽譜:ビーさん(06/02-09/06)
■♪〜てぃんさぐぬ花や…。沖縄の代表的民謡で、わらべうたとして教材ともなり、2001年12月の琉球新報調査では、県民が好きな民謡第1位。「芭蕉布」などで知られる作曲家・普久原垣勇(つねお)が妻・
城間ひろみの歌で1959年にレコード化した。
 沖縄の言葉は、戦前は標準語に対して蔑視され、戦後も米軍支配の下で、琉球文化は軽んじられていた。しかし沖縄の戦後創作民謡に尽くした普久原朝喜(1903-81)を養父とする普久原は、その中でも貪欲に沖縄の言葉による歌を録音し続けていた。この花は鳳仙花のことで、装飾や魔よけとして爪先を染める風習があったという。この歌は星々に関わらせての親から子へのメッセージ。普久原は「血の流れに逆らわない、体にも心にもやさしい旋律」と語っている。
うた新「歌の小箱」154(**/**/**)